madameH CLOSET
カテゴリ
全体 心躍るものたち 私的ファッション考 やっぱりCinema REMODE 便り 生活を彩るものたち 旅の記憶 美味しいものセンサー 人生の棚卸後残ったもの ごあいさつ madameH的読書 熟年メンテナンス madameHcloset 心に残るひと ロジェ・ヴィヴィェマニア madameH家の食堂 madameHの超簡単料理 ひとりごと madame塾 以前の記事
フォロー中のブログ
検索
タグ
最新の記事
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
今日、やっと、郵便受けに入っていた。 出掛ける前だったので 包装も解かずにバッグに突っ込んで、地下鉄の中で読みはじめた。
「東京を生きる」雨宮まみ 雨宮さんのことは、それまで知らなかった。 割と最近のことだけれど 編集者の友人に彼女の写真を見せてもらったことがあった。 H&Mのケンゾーコラボの服を着たスマホ画像で 普通のひとならば、絶対に服に負けてしまいそうな強烈に可愛いドレスが よく似合っていて印象深かった。 私も時々、顔を出す近所のヴィンテージショップは 雨宮さんのお気に入りだったらしい。 もしかしたら、一度くらいは、知らずに顔を合わせていたのかもしれない。 前記の友人の計らいで、近いうちに3人で食事でも行きましょう …と言う話もあったりした。 夕食を食べるのももどかしく、一気に読み終えた。 ヒリヒリと心が痛くなるような、辛いエッセイなのかと 思ったら、そんなことは全くなかった。 彼女は、東京で暮らすことの葛藤を自虐的に書いているけれど、 昔の、若かった頃の私の方がもっと、カッコ悪くてジタバタしていた。 今だって、よくここまで生き延びて来たな…と不思議に思うくらいだ。 雨宮さんと同じように、私も地方出身者だ。 東京の生活は故郷で暮らした年月の3倍以上にもなるのに 新宿の高層ビル群を眺めると勇気りんりんになったり 新幹線の窓から有楽町が見えて来るとホッとするのは 東京生活初心者の頃と変わらない。 多分、いつまでも東京人になれないのだと思う。 ただ…昔の私のように東京に何かを期待したり たくさんのものを渇望をして止まないということは ほとんどなくなっている。 欲しいものは、もうあまりない。 それは、満たされているからと言うことではない。 雨宮さんの本は初めてだけれど 生きいきした上手い文章を書くひとだと思った。 嘘っぽさのない、知的で簡潔な文章だ。 ぐじゃぐじゃ言っていることとは裏腹に 本質は、とても潔いひとなのだと思う。 彼女の好きな、古い映画の女優さんみたいに美しいのに どこかで、その美貌を恥じらっているところなんかは 成長過程期の少年みたいで可愛い。 雨宮さんが、本当に書きたかったテーマを作家として これからも、もっともっと書いて欲しかった。 そして…おしゃれについて楽しい女子トークなんかもしてみたかった。 雨宮まみさん…40歳 11月15日に逝去 そして、故郷の福岡に還って行った。 本当は、東京に居たかったのではないか…と思う。
by madameH
| 2016-12-10 08:00
| madameH的読書
|
ファン申請 |
||